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1. ブラッシングをする
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スーツは一日着ている間に、繊維の撚れ・織り目の歪みを起こしているもの。
洋服ブラシで「服の繊維の流れを整えること」が大切です。
静電気による繊維の乱れを防ぐため、豚や馬などの天然獣毛ブラシを選びましょう。-
スーツをハンガーに掛け、衿から順に下に向かってかけましょう。 生地目に沿って繊維の中の埃を払い、次に縫い目に入り込んだ埃を掻き出します。
コツは「細かく弾くようにブラッシングする」こと。
繊維を引っぱらないよう、空気を含ませるようなイメージで行うとうまくいきます。
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2. シワを伸ばす
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背中や足の付け根についてしまうシワは、衣類スチーマーやアイロンのスチーム機能を使って伸ばすのが良いでしょう。
蒸気を上手に逃がすため、スーツをハンガーにかけた状態で行うのがおすすめです。
シワが取れやすいその日のうちに、綺麗に伸ばしておくことを心がけましょう。
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3. スーツを休ませる
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人間と同じく、スーツにとっても「休息」が最も重要です。
理想的なのは、一日着用したスーツを一晩陰干しすること。 風通しの良い場所で汗などの湿気を飛ばしてからクローゼットにしまうことで、生地の傷みを防ぎます。-
クローゼット内は、余裕をもってゆったりと。 ハンガー同士の隙間は、10㎝程度空けるのがおすすめです。 間隔をぎゅうぎゅうに詰めると、スーツの命ともいえるラペル(下衿)の厚みや返りがつぶれて型崩れの原因に。
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肩先にしっかりと厚みのあるハンガーを選ぶこと。 洋服、特にスーツは人の身体にフィットする立体的な形をしています。 薄手のものや平たいハンガーに長時間掛けると、不自然なシワがついたり型崩れを起こしてしまいます。
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4. スーツの着回し
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人は1日で約0.5Lの汗をかくそうです。 ハードなビジネスシーンや夏場の着用となると、その量はさらに増していきます。 内側が湿った状態が続くと、たとえ良いスーツであってもたちまち劣化してしまいます。 厚みのあるハンガーにかけて生地の間に十分な隙間をつくり、効率よく湿気を飛ばしましょう。
スーツの着用は「1着2休」と言われています。 1日着たスーツは2日ほど着用を控えローテーションするのがおすすめです。 1週間を乗り切るためには、3着程度用意しておくと安心ですね。
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5. クリーニングについて
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一般的なウールのスーツをクリーニングに出す際は、ウォータークリーニングがおすすめです。
生地の傷みを避け、においや変色の元となる水溶性の汚れを取るには、こちらの方法が適しています。
繊維の芯まで水が浸透し、汗の塩分やにおいも溶かし出してくれるためです。スーツの質感を維持するには「年に1~2回、季節の変わり目に出す程度」が良いでしょう。