昨年から始まった兵庫県豊岡市のジェンダーギャップ解消戦略会議は、2年目の開催を迎えました。豊岡市のジェンダーギャップ解消戦略は市政と市民が一緒になって取り組む官民連携の活動であり、他の自治体からも注目を集めています。
弊社の社員がこの会議の委員として参加いたしました。9月24日の今年度第1回目と、11月26日の第2回目の戦略会議の様子を報告いたします。
第1回目では政府の女性活躍・男女共同参画の現状について、そして豊岡市の取り組みの報告と、意見交換が行われました。
日本はジェンダー・ギャップ指数において156か国中120位で、先進国としては最下位であるという事実を改めて確認しました。国際社会での著しい遅れと、コロナ禍での新たな課題をどのように解決しなければならないかが、女性活躍・男女共同参画の重要ポイントであるとされます。
また、根強い構造的な男女格差や不平等がコロナ禍でさらに直接的な影響に繋がっているという課題の共有もしました。特に非正規が多い女性の雇用に影響が大きいとのこと。政府の方針として➀女性登用促進 ②見える化 ③全国展開を推進すると報告がありました。
豊岡市では市職員や市内の地域組織のリーダーへの研修会や意見交換会を開催し、戦略を実際に推進するため、地域での普及・啓発の取り組みの報告がありました。受け取り方や理解度が世代や地域、職種など様々な要因で異なるとの感想でした。だれもが自分事として捉え、職場、家庭、地域で実践につなげることができるように引き続きで研修会などを進めていく計画です。
第2回目では豊岡市が行ったジェンダーギャップに関する調査の結果共有がありました。結果を読み解きながら、今後の活動方針についての意見を交わしました。
提出されたデータとして、男女別の家事の分担状況が挙げられました。現状、ほぼ妻が負担しているとした回答は約8割。なんとなく妻が負担しているという回答は5割ほどでした。一方で「男は仕事・女は家庭」という考え方に対しては63%の人が反対と回答しています。男女で協力したいと考えていても、現状の制度や風土ではそれが叶わないという現状が見えてきました。
意見交換では、育児のアウトソーシングが普及していないことや、「あるべき妻像のプレッシャー」などが問題として挙げられました。また、男性が家事をしないからだめだと否定から入るのではなく、「どうすればできるようになるのか」原因を考える必要があるという意見が印象深く感じました。
近年は価値観の変遷が起こっており、男子就活生の7割以上が育休取得を希望しているという調査結果があります。この変化した若い世代の価値観にいかに企業が応えるかが選ばれる企業になるための課題です。
また、男性の問題、女性の問題として解決しようとするのではなく、自分事という意識を持って考えることが大切です。今後も官民共同でジェンダーギャップ解消に向けた様々な取り組みを考えていかなければなりません。
今年度の3回目の会議は2022年1月に開催されます。今後も私たちはジェンダーギャップ解消のための学びと実践を進めていきます。